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2025/11/05

2025/11/05

便秘で腰痛が起こる原因とは? 考えられる病気と治療法を解説

便秘

「便秘でお腹が張るし、腰も重だるい」といった不調に悩んでいませんか。

実は、便秘と腰痛は深い関係がある病気です。便秘により溜まった便やガスで膨らんだ腸が、腰の神経や血管を圧迫し、痛みの原因になることがあります。

この記事では、便秘が腰痛を引き起こす原因や対策、見過ごせない症状について詳しく解説します。つらい症状の原因を突き止め、適切な対処法を見つけましょう。

便秘が腰痛を引き起こす2つの原因

便秘が腰痛を引き起こす主な原因として、「①大腸の過膨張」「②姿勢の悪さ」について詳しく解説します。

①大腸の過膨張

便秘によって大腸が過度に膨らむと、周囲の組織を圧迫し、腰痛の原因になることがあります。大腸のすぐ後ろには骨盤や足につながる神経や血管が通っており、圧迫されることで次のような症状が現れることがあります。

  • 神経が圧迫されて腰の痛みやしびれにつながる
  • 血管が圧迫されて血流が悪くなり、重だるい腰痛を引き起こす

慢性的な便秘が続く場合、こうした圧迫による腰痛の可能性も考えられるため、症状が長引くときは医療機関での相談が大切です。

②姿勢の悪さ

姿勢の悪さも、便秘や腰痛を引き起こす原因の一つです。猫背や反り腰などの姿勢は、腰の筋肉に過度な負担をかけ、腰痛の直接的な原因となります。前かがみの姿勢も腹部を圧迫する要因であり、ぜん動運動(便を送り出す動き)を妨げて、便秘を引き起こしやすくします。

硬くなった便を排出しようと強くいきむ行為も、お腹の中の圧力(腹圧)を急激に高めるので腰に大きな負担がかかるでしょう。正しい姿勢を意識することが、便秘や腰痛の予防につながります。

便秘と腰痛の発症で考えられる病気

便秘と腰痛が同時に現れる場合、消化器内科領域で注意すべき病気のひとつが大腸がんです。

大腸の壁にできた腫瘍が腸の内側を狭めることで便が通りにくくなり、便秘を引き起こします。また、進行すると腸の壁を突き破って周囲の組織へ広がり、後腹膜や腰椎に近い神経を圧迫・刺激することで持続的な腰の痛みが生じることがあります。

大腸がんは早期の段階では自覚症状がほとんどありませんが、次のような症状が見られる場合は注意が必要です。

  • 便に血が混じる(血便)
  • 便が黒っぽくなる(タール便)
  • 急に便秘がちになる
  • 便が鉛筆のように細くなる
  • お腹の張り(腹部膨満感)が続く
  • 残便感がある
  • 原因不明の体重減少
  • 貧血を指摘された

大腸がんは早期に発見できれば、内視鏡治療や腹腔鏡手術など体への負担が少ない方法で治療できる可能性があります。便秘や腰痛に加えてこれらの症状が見られるときは、早めに消化器内科を受診することが大切です。

自宅でできる便秘と腰痛の対策7選

自宅ですぐに始められる対策として、以下の7つを紹介します。

  • 軽い運動やストレッチを取り入れる
  • お腹や腰を温めて血流を良くする
  • 食物繊維と水分をしっかり摂る
  • ストレスを解消して自律神経を整える
  • 排便リズムを整える
  • 市販薬を服用する
  • 姿勢を矯正する

①軽い運動やストレッチを取り入れる

運動不足は、便秘と腰痛の両方を悪化させる代表的な原因の一つです。軽い運動やストレッチを日常生活に取り入れることで、便秘や腰痛の改善につながります。

体を動かすと、腹筋が刺激されて腸の動きが活発になり、便通がスムーズになります。腰回りの血流も良くなり、腰痛の緩和も期待できます。

以下の表に、おすすめの運動とストレッチをまとめました。

方法ポイント・効果
ウォーキング・20〜30分程度、少し汗ばむ早歩きを意識する
・腕を大きく振ることで体幹がひねられ、腸が刺激される
ヨガ・ピラティス・インナーマッスルが鍛えられ、腸の動きが刺激される
腰ひねりストレッチ・仰向けでひざを立て、左右に倒して20秒キープする
・腰とお腹の側面が伸び、血流改善や腸の動きをサポートできる
お腹のマッサージ・おへそ周りを時計回りに「の」の字で優しくマッサージする
・腸の走行に沿って便の移動を助ける

体を動かす習慣をつけることで、体力や持久力の向上にもつながります。まずは、無理のない範囲で始められる軽い運動から習慣化しましょう。

②お腹や腰を温めて血流を良くする

お腹や腰を意識的に温めることで、便秘や腰痛を和らげられる可能性があります。

お腹や腰が冷えると血行が悪くなり、腸の動きが鈍って便秘が悪化します。血行だけでなく筋肉も硬くなり、痛み物質が溜まることで腰痛の原因にもなります。

体を内側と外側の両方から温め、リラックスすることで自律神経のバランスを整えられるでしょう。具体的な体を温める方法は、以下のとおりです。

  • ぬるめのお湯でゆっくり入浴する
  • カイロや腹巻きを活用する
  • 温かい飲み物を飲む

ただし、ぎっくり腰のように急に強い痛みが出たり、熱をもつ炎症があったりするときは注意が必要です。温めると症状が悪化することがあるため、早めに医療機関を受診しましょう。

③食物繊維と水分をしっかり摂る

便秘の改善には、食生活の見直しが欠かせません。特に、食物繊維と水分を十分に摂ることが重要です。

食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。

2種類の食物繊維の特徴と多く含まれる食品について、以下の表にまとめました。

種類特徴多く含まれる食品
不溶性食物繊維便の量を増やして腸を刺激し、ぜん動運動を促すきのこ類、豆類、ごぼう、さつまいも、玄米など
水溶性食物繊維水に溶けて便を柔らかくし、腸内環境を整えるわかめ、昆布、りんご、バナナ、こんにゃく、オクラなど

水分は、食事以外に1日に1.5〜2リットルを目安に、のどが渇く前にこまめに補給することが望ましいです。

一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯程度を数回に分けて飲むほうが体に効率よく吸収され、便秘改善につながる可能性があります。

④ストレスを解消して自律神経を整える

ストレスを解消して自律神経を整えることも、便秘と腰痛の改善に良いとされています。

精神的なストレスは、便秘や腰痛の原因の一つです。腸の働きや筋肉の緊張は、交感神経と副交感神経の2種類の自律神経によって調整されています。強いストレスを感じ続けると、交感神経が優位な状態が続き、腸の動きは抑制されます。

腸の動きが悪くなった場合、便秘になったり、筋肉が緊張したりして腰痛を引き起こすでしょう。

自律神経を整えるためには、リラックスできる時間を確保し、質の良い睡眠を取ることが大切です。1日の終わりに音楽・アロマ・音楽などで落ち着き、就寝90分前はスマホの画面の閲覧を避けてください。副交感神経が優位になるよう、腹式呼吸も意識しましょう。

忙しい毎日でも意識的にリラックスできる時間を持つことが、便秘と腰痛の改善へつながります。

⑤排便リズムを整える

毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつけることで、便秘の改善をサポートします。

人間の体には、食事をすると大腸が反射的に動き出す仕組みが備わっています。特に、朝食後は、睡眠中に空っぽになった胃に食べ物が入るため、強い反射が起こりやすいです。

大腸の動きを促し、便意を起こすためには、排便リズムを整えることが重要です。具体的な方法を以下の表にまとめました。

ポイント内容
朝食をしっかり食べる朝食で反射機能を働かせる
トイレタイムを確保する・毎朝同じ時間にトイレに座る習慣を身につける
・新聞やスマホは避け、排便に集中できる環境を作る
便意を我慢しない日中でも便意を感じたらすぐにトイレへ行く
排便しやすい姿勢をとる洋式トイレでは足元に台(約15cm)を置き、ひざを高くして排便を促す

すぐに効果が出なくても、焦らずに続けることが大切です。

⑥姿勢を矯正する

正しい姿勢を意識すると、内臓が正しい位置で機能するため、便秘の改善につながります。腰への負担も軽減され、腰痛改善も期待できます。

正しい姿勢を矯正するためのコツを以下の表にまとめました。

状況姿勢のコツ
座るとき・椅子に深く腰かけて骨盤を立てる
・坐骨で座る意識をもつ
・足裏が床につくよう椅子の高さを調整する
立つとき・頭のてっぺんから糸で引かれる意識を持つ
・耳、肩、腰、ひざ、くるぶしを一直線にする
・お腹に軽く力を入れ、お尻を締める

30分〜1時間ごとに立ち上がって体を伸ばし、こまめに姿勢をリセットしましょう。デスクワークが多い方は、パソコンのモニターを目線の高さに合わせるだけでも、首や肩、腰への負担を大きく減らせます。

⑦市販薬を服用する

①〜⑥までの対策を試しても便秘が改善しない場合は、市販薬を服用するのも一つの方法です。ただし、自己判断で長期間使い続けることは、かえって腸本来の機能が低下してしまう可能性があるため注意してください。

代表的な市販薬と特徴は、以下のとおりです。

代表的な市販薬特徴・注意点
酸化マグネシウム・便を柔らかくし腹痛が起こりにくい
・習慣性は少ないが、腎機能が悪い方は注意が必要
ビサコジル、センナ・腸を直接刺激し強い効果をもつ
・腹痛を伴いやすく、連用すると依存リスクがある
ビフィズス菌、乳酸菌・腸内環境を整える
・効果は穏やかで体質改善に向いている

市販薬を使用しても症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

便秘や腰痛が長引くときには医療機関の受診が必要

便秘や腰痛の症状が長期間改善しない場合、自己判断で様子を見続けるのは危険です。大腸がんなどの危険な病気が隠れているかもしれないので、症状が長引くときには、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。放置し続けると、病状が悪化するおそれがあります。

医療機関では、症状の根本的な原因を調べ、原因に応じた専門的な治療を受けられます。ご自身に合った適切な治療を受けるためにも、不安な症状があるときは自己判断せず、早めに専門の医師に相談することが大切です。

便秘による腰痛が不安なら内視鏡ベルラクリニック銀座へ

一見関係なさそうに見える便秘と腰痛ですが、食事・運動・姿勢など生活習慣を見直すことで改善できることも多くあります。まずは、自宅でできるセルフケアから取り入れてみましょう。

ただし、大腸がんなど、注意すべき病気が隠れている可能性もあります。セルフケアを続けても改善しない、血便や激しい痛みなどの症状が見られる場合は放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。

内視鏡ベルラクリニック銀座では、便秘などの消化器症状についてのご相談はもちろん、大腸内視鏡検査による詳しいチェックも行っています。症状が気になるときは、お気軽にご相談ください。

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髙橋 敬二

内視鏡ベルラクリニック銀座
院長髙橋 敬二

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