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2025/11/7

2025/11/7

脂肪冷却はセルフでできる? 効果とリスク、クリニック施術との違いを徹底解説

切らない施術として注目される脂肪冷却に、自宅で手軽にできるセルフケアがあることをご存知でしょうか。クリニックに通う時間や費用を考え、セルフでの脂肪冷却を試してみたいと思う方も多いかもしれません。

セルフで行う脂肪冷却は、一見手軽に見えますが、正しく行わないと凍傷や神経への影響など思わぬトラブルにつながることがあります。安心して取り組むためにも、事前に正しい知識を持っておくことが大切です。

この記事では、セルフの脂肪冷却のメリットやリスク、クリニックでの施術との違いを解説します。

セルフでできる脂肪冷却とは?

セルフ脂肪冷却は、家庭用に設計された機器を使い、自宅で気になる部位の脂肪にアプローチする方法です。クリニックでの施術とは異なり、自宅で好きなときに行えます。

ここでは、一般的な脂肪冷却の仕組みとメリットを解説します。自宅で行う前に、脂肪冷却とはどんな施術なのか知らない方は、ぜひご一読ください。

脂肪冷却の仕組み

脂肪冷却は、気になる部位を冷却することで脂肪細胞を凍結・破壊し、体外へ取り除く仕組みです。脂肪細胞とほかの細胞が凍る温度の違いを利用し、脂肪細胞だけを選択的に冷却できます。

凍らさせた脂肪細胞を体外へ排出する際は、体の免疫反応を利用します。脂肪冷却は、体に負担をかけずに少しずつ変化していくのが特徴です。効果はゆっくりと、数週間から数か月かけて現れていきます。

脂肪冷却は、脂肪細胞の数を減らすことを目指すため、一度施術した部位は変化が維持されやすいと考えられています。

ただし、セルフケアできるような家庭用機器は、医療用機器と異なり、安全面の設計から出力が制限されていることが多く、脂肪細胞を凍結・破壊することは難しいでしょう。

セルフ機器でも一定の効果は実感できますが、その多くは皮膚冷却で血管収縮が起こり、血流が再開したことに起因する一時的な代謝促進やむくみ軽減によるものと考えられます。

脂肪冷却の一般的なメリット

脂肪冷却の主なメリットは以下のとおりです。

  • 気になる部位を狙ってアプローチしやすい
  • リバウンドしにくいとされる
  • 体への負担が少ない

脂肪冷却は、体全体を痩せさせる通常のダイエットと異なり、お腹周りや太もも、二の腕などの気になる部位を狙って行える施術です。脂肪細胞の大きさを小さくする通常のダイエットに対し、脂肪細胞の数を減らせるため、リバウンドもしにくいとされています。

脂肪冷却の際には、メスを使わないため、傷跡が残る心配もありません。赤みや内出血、軽いしびれなどの副作用はありますが、多くは数日〜1週間程度で自然に落ち着きます。(※1)日常生活に大きな支障をきたすことなく、施術を受けられるでしょう。

セルフの脂肪冷却の2つのメリット

セルフで行う脂肪冷却が持つメリットとして、「①時間・場所に関わらず手軽に行える」「②費用が安い」ことを解説します。

①時間・場所に関わらず手軽に行える

セルフの脂肪冷却は、自宅で手軽に取り組める点が魅力です。医療機関で施術を受ける場合、施術以外にも予約・移動・待ち時間・会計などの時間を確保する必要があります。医療機関に行くとなると、緊張やストレスを感じる方もいるでしょう。

セルフの脂肪冷却であれば、テレビを見たり本を読んだりしながら、リラックスした状態でケアできます。多忙な方でも、スキマ時間を見つけて行うことで、生活リズムを崩さずに続けやすい点が特徴です。

自宅での脂肪冷却は誰にも見られることなく施術できるため、プライバシーを重視する方にとっても安心です。ご家族やパートナーに知られずにボディケアを始めたい方には、適した方法といえるかもしれません。

②費用が安い

セルフの脂肪冷却は、クリニックでの施術と比較して、以下の表のように初期費用や総額を抑えられる可能性があります。

比較項目セルフ
(家庭用マシン)
クリニック
(医療機関)
マシン購入費用3~15万円程度0円
1回あたりの費用0円(電気代などは除く)3~10万円程度
総額の目安マシン購入費のみ1~3回の施術の場合、10~30万円程度

セルフの場合は最初にマシンを購入すれば、他の追加費用なしで繰り返し使用できます。一方、クリニックでは施術ごとに支払いが必要となり、複数回の施術で総額が高くなる傾向です。

ただし、クリニックの費用には、専門家による医学的判断や高性能な医療機器の使用料、アフターケア体制の費用も含まれています。費用だけで単純に優劣を比較することはできませんが、費用を抑えたい方にとって、セルフの脂肪冷却は魅力的な選択肢の一つです。

セルフでの脂肪冷却の3つのリスク

「こんなはずではなかった」とセルフ脂肪冷却で後悔しないために、以下の3つのリスクを知っておきましょう。

  • 皮膚・神経への深刻なダメージ
  • 個人・部位による効果ムラ
  • 緊急時の対応の遅れ

①皮膚・神経への深刻なダメージ

セルフ脂肪冷却で注意すべきリスクの一つが、皮膚や神経へのダメージです。冷却の温度や時間を誤ると、脂肪だけでなく皮膚の細胞まで凍ってしまい、赤みやヒリヒリとした痛み、感覚の鈍さなどが現れることがあります。重症化すると水ぶくれや変色が起こり、まれに組織が壊死してしまうケースも報告されています。

また、冷却による刺激で皮下の神経が傷つくと、しびれやピリピリとした痛みが続く神経障害を起こすことがあります。多くの場合は数週間から数か月で自然に回復しますが、長く残ることもあるため注意が必要です。安全に使用するためには、取扱説明書に記載された時間や頻度を必ず守りましょう。

②個人・部位による効果ムラ

セルフの脂肪冷却では、効果の現れ方に個人差があり、期待したほどの変化を感じられないケースも少なくありません。家庭用の機器では、冷却温度や冷却範囲が不安定で、均一に施術することが困難であるためです。

個人ごとの体質や脂肪のつき方も、脂肪冷却による効果のムラが出やすい要因です。以下のように効果が出やすい部位・出にくい部位があり、医療機関では施術のやり方を調整しています。

効果が出やすいとされる部位効果が出にくいとされる部位
特徴皮下脂肪が厚く、手でしっかりとつまめる柔らかい部位筋肉質で硬かったり、皮下脂肪が元々少なかったりする部位
具体例下腹部、わき腹(ラブハンドル)、腰まわり太ももの前側、ふくらはぎ、腕の上部(力こぶ側)

脂肪のつき方や部位によっては、時間をかけても思ったような効果が出にくいことがあります。仕上がりに差が出る可能性があることを理解したうえで、自宅での施術を検討すると安心です。

③緊急時の対応の遅れ

セルフでの脂肪冷却は、万が一トラブルが起きた際に対応が遅れる点がデメリットです。医療機関であれば、施術中に皮膚の異常や強い痛みがあった場合、すぐにスタッフが専門的な判断をして、適切な処置を行います。

しかし、自宅では、異変に気づいても「大丈夫だろう」と自己判断で様子を見てしまいがちです。初期対応の遅れが、症状を悪化させ、回復を長引かせる原因となりかねません。

特に、以下のようなサインが見られた場合は、自己判断で放置すると後遺症につながる危険性があります。

  • 施術部位に我慢できないほどの強い痛みやヒリつきが続く
  • 皮膚の赤みが引かず、紫色や黒っぽい色に変わってきた
  • 施術した場所に水ぶくれ(水疱)ができた
  • しびれや感覚が鈍い状態が、数日経っても改善しない

施術部位に違和感や痛みを感じた場合は、すぐに使用をやめましょう。無理に続けず、できるだけ早めに皮膚科や形成外科などの専門医に相談することが大切です。

セルフケアを始める前に、万が一の際に相談できる近隣のクリニックを調べておくと、より安心して取り組めるでしょう。

クリニックとセルフの脂肪冷却の違い4選

手軽さが魅力のセルフ脂肪冷却と、専門家が担うクリニックでの施術では、以下の4つの違いがあります。

  • 施術に使用される機器
  • 施術後の効果の持続性
  • 医師による診断の有無
  • アフターケアの有無

①施術に使用される機器

クリニックとセルフの脂肪冷却の違いは、使用される機器の目的と性能にあります。

クリニックで使用される機器は、国から有効性と安全性が認められた医療機器です。医療資格者が使用することを前提に、高い冷却性能と高度な安全装置が搭載されています。周辺の皮膚や血管、神経へのダメージを抑えつつ、脂肪層のみにアプローチできます。

一方、家庭用機器は、医療の知識がない方でも安全に使える設計です。万が一の事故を防ぐため、冷却パワーは意図的に低く設定されています。安全性を高める一方、医療用機器と同等の効果を期待することは難しいでしょう。

家庭用の脂肪冷却機器は、国の承認を受けていない製品もあるため、購入時には十分に確認する必要があります。

②施術後の効果の持続性

施術に用いる機器の性能差は、脂肪冷却の効果の現れ方や持続性にも直接影響します。

医療機関での施術は、パワフルな医療用機器を用いるため、比較的少ない回数で変化を実感しやすい点が特徴です。海外の研究では、1回の施術で脂肪層の厚さが平均20%前後減少したとの報告も複数あります。(※2)

一度壊れた脂肪細胞は再生しにくいため、リバウンドのリスクが少なく、効果が長期間持続しやすい傾向です。多くの場合、1〜3回程度の施術で見た目の変化を感じ始めるとされています。

一方、セルフの脂肪冷却は冷却パワーが穏やかなため、変化を実感するまでには時間がかかります。製品によっては週に数回の使用が推奨されており、効果を得るには根気強い継続が必要です。数か月間続けても、明らかな変化を感じにくいケースも少なくありません。

③医師による診断の有無

医療機関では、施術前に医師によるカウンセリングと診察が行われる一方、セルフでの脂肪冷却はすべて自己判断です。

医療機関でのカウンセリング・診察は、以下の項目を総合的に評価し、脂肪冷却を安全に行える状態かを判断します。

  • 現在の健康状態や過去の病歴
  • 皮下脂肪の厚さや質
  • 皮膚の状態(湿疹や傷の有無)
  • 寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん)など、冷却が禁忌となる体質の有無

特に、寒さによってじんましんが出るような体質の方が脂肪冷却を行うと、重篤なアレルギー反応を引き起こす危険があります。医療機関であれば、リスクを事前に見つけ出し、安全に施術を受けられるかどうかを見極められるでしょう。

しかし、セルフの場合は、すべてを自己判断で行うことが必要です。自身では気づいていない体質や健康上の問題があるまま使用してしまうと、凍傷や神経障害などの健康被害につながりかねません。

④アフターケアの有無

医療機関で施術を受けた場合、アフターケア体制が整っています。施術後の経過で気になることがあれば、いつでも相談が可能です。赤みや痛みが長引いたり、内出血が強く出たりした場合でも、すぐに医療的な対応を受けられます。

一方、セルフの場合はすべての結果が自己責任となります。皮膚に水ぶくれができたり、しびれが続いたりしても、自身で医療機関を探し、受診しなければなりません。病院選びに迷って受診が遅れることで、症状が悪化し、回復が長引く可能性も考えられます。

クリニックとセルフの脂肪冷却の選び方

クリニックとセルフの脂肪冷却のどちらが良いか迷っている方に対し、選び方を紹介します。ご自身の状況に合った方法を選ぶための判断材料として、ぜひ参考にしてください。

クリニックでの脂肪冷却がおすすめの方

より確実な変化を、高い安全性のもとで目指したい方は、クリニックでの施術が推奨されます。医療機関では、医学的根拠にもとづいた管理体制が整っていることが大きな強みです。

以下のような特徴に当てはまる方は、クリニックでの施術を検討すると良いでしょう。

  • 安全性を最優先に考えたい方
  • 客観的でわかりやすい変化を実感したい方
  • 自己判断や自己管理に不安がある方

ただし、セルフでの施術よりも費用が高くなりがちな点には注意してください。

セルフでの脂肪冷却がおすすめの方

費用を抑え、自身の生活リズムに合わせて気軽にケアを始めたい方にとって、セルフでの脂肪冷却は一つの選択肢となり得ます。

以下の特徴に当てはまり、リスクを十分に理解できるのであれば、セルフケアを検討しても良いでしょう。

  • 費用をできるだけ抑えたい方
  • 自身の好きなタイミングでケアを続けたい方
  • 機器の特性を理解し、徹底した自己管理ができる方

ただし、セルフでの脂肪冷却では、トラブルへの対処も自己責任です。万が一、皮膚に異常を感じた際には、すぐに使用を中止し、すみやかに医療機関を受診してください。

脂肪冷却はセルフではなく内視鏡ベルラクリニック銀座へ

手軽さや費用を優先するならセルフケアも選択肢になりますが、効果のムラや凍傷などのリスクを十分に理解することが大切です。安全性と確実な変化を優先するのであれば、高性能な医療機器を使用するクリニックでの施術が賢明な選択といえるでしょう。

内視鏡ベルラクリニック銀座では、専門医による脂肪冷却の施術を行っています。

気になる部位や効果について詳しく知りたい方は、ぜひ一度ご来院ください。

参考文献

  1. Hedayati B, Juhász M, Chu S, Mesinkovska NA. Adverse Events Associated With Cryolipolysis: A Systematic Review of the Literature. Dermatol Surg,2020,46 Suppl 1,p.S8-S13.
  2. Hetzel J, Awad N, Bhupalam V, Nestor M.Cryolipolysis in the United States-Review of the clinical data.J Cosmet Dermatol,2023,22(Suppl 3),8-14.

髙橋 敬二

内視鏡ベルラクリニック銀座
院長髙橋 敬二

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