2025/11/7
2025/11/7
脂肪冷却で失敗することはある? よくある例と避けるためのポイント
メスを使わずに部分痩せを目指せる脂肪冷却は、気軽に受けられる施術として人気があります。しかし、「効果が感じられない」「皮膚が凸凹になった」と後悔するケースもゼロではありません。
背景には、施術者の経験不足やカウンセリングの不十分さ、機器選びのミスマッチなど、避けられるはずの原因が隠れていることがあります。この記事では、脂肪冷却でよくある失敗例や原因を整理し、後悔を防ぐためのチェックポイントを詳しく解説します。
施術を受ける前に、失敗を避けるための正しい知識を身につけましょう。
脂肪冷却は効果が出るまで2~3か月程度かかる

脂肪冷却は施術直後に劇的な変化が出るものではなく、効果を実感できるまでに2〜3か月ほど時間がかかるのが一般的です。
体の変化は以下のプロセスを経て進みます。
- 脂肪細胞の結晶化 : 冷却によって脂肪細胞が結晶化し、機能しなくなる
- 老廃物として認識 : マクロファージなどの免疫細胞が、機能を失った脂肪細胞を老廃物として処理する
- 体外への排出 : 処理のピークは施術後4週間ごろで、尿や汗などとともに約3か月かけて排出する
ある研究では、脂肪冷却の施術から3か月後に、BMI(体格指数)が統計的に有意に減少したことが報告されています。(※1)代謝の速さや生活習慣によって効果の現れ方には個人差があります。
焦らず6〜12週間を目安に、体の変化を見守ることが大切です。
脂肪冷却で起こりうる5つの失敗例

脂肪冷却で起こりうる代表的な失敗例は、以下の5つです。
- 効果が全く感じられない
- 皮膚が凸凹になる・たるむ
- 凍傷や色素沈着などの皮膚トラブル
- 施術後の長引く痛みやしびれ
- 脂肪が逆に増える奇異性脂肪過形成(PAH)
①効果が全く感じられない
脂肪冷却を受けても効果が全く感じられないことがありますが、施術の失敗ではなく、他の要因による可能性があります。主な原因は以下のとおりです。
- 施術目的の誤解
- 適応の問題
- 判断の時期が早い
脂肪冷却は全身の体重を減らす施術ではなく、特定部位の「部分痩せ」を目的としています。そのため体重減少を期待すると、効果がないと感じてしまいます。
効果が出やすいのは手でつまめる皮下脂肪であり、内臓脂肪や皮膚のたるみは適応外です。冷却で壊れた脂肪細胞はすぐには消えず、老廃物として体外に排出されるまで2〜3か月かかることは理解しておきましょう。
②皮膚が凸凹になる・たるむ
脂肪冷却の後に、施術部位の皮膚が凸凹して見えたり、たるんだように感じたりするケースがあります。皮膚表面の凹凸は、脂肪が均一に減らなかった場合などに現れることがあり、減り方に差が出ると滑らかさが失われてしまいます。
短期間で脂肪の量が減少すると、皮膚が十分に収縮せず、余った皮膚がたるんで見える場合もあります。特に皮膚のハリや弾力が低下している方に起こりやすいといわれています。
③凍傷や色素沈着などの皮膚トラブル
脂肪冷却では、まれに皮膚自体にトラブルが生じることがあります。冷却の影響や吸引による刺激が関係しており、内容や程度は個々で異なりますが、以下のような症状が現れることがあります。
| トラブルの種類 | 症状 | 主な要因 |
| 凍傷 | 赤み、水ぶくれ、ただれ、強い痛み | 冷却温度や時間の設定ミス、保護シートの不適切な使用 |
| 炎症後色素沈着 | 茶色っぽい皮膚の変色 | 炎症が治まる過程でメラニンが過剰に生成 |
| 内出血 | あざのような変色 | 吸引時に毛細血管が傷つくことで発生 |
多くの場合、軽い赤みや内出血は1~2週間で落ち着きますが、水ぶくれや強い痛みがある場合は、医師の診察を受けることが望まれます。
④施術後の長引く痛みやしびれ
脂肪冷却の後には、鈍い痛みや感覚の鈍さが一時的に出ることがあります。これは正常な経過の一つで、多くは数日〜2週間ほどで和らぎます。
具体的には、以下のような症状が現れます。
- 鈍い痛み : 運動後の筋肉痛に近い感覚
- 感覚の鈍さ : 触ったときに膜を一枚挟んだような違和感
- 軽いしびれ : 冷却の影響で一時的に神経伝達が弱まることによるもの
まれに症状が2週間以上続いたり、悪化したりする場合があります。痛みが日常生活に支障を与えるほど強いときや、しびれが改善しないときは注意が必要です。
ほとんどは時間とともに回復しますが、強い症状を感じた場合は我慢せず、施術を受けたクリニックへ相談しましょう。
⑤脂肪が逆に増える奇異性脂肪過形成(PAH)
奇異性脂肪過形成(Paradoxical-Adipose-Hyperplasia:PAH)は、まれな副作用です。脂肪を減らす目的で冷却したにもかかわらず、逆にその部分の脂肪が硬くなって増えてしまう現象を指します。
見た目は、施術で使った機器のアプリケーターの形に沿って、不自然に脂肪が盛り上がります。なぜこの反応が起こるのか、明確なメカニズムはまだ完全には解明されていません。
PAHは自然治癒することはなく、改善には脂肪吸引などの外科的治療が必要になる場合があります。まれな反応とはいえ、リスクの一つとして事前に説明を受け、納得したうえで施術を選ぶことが大切です。
脂肪冷却で失敗を招く主な原因

脂肪冷却で満足のいく結果が得られない場合、複数の要因が関係している可能性があります。脂肪冷却で失敗を招く主な原因として、以下の4つを解説します。
- 施術者の技術力・経験不足
- 適応見極めミス・カウンセリングの欠如
- 体質や皮膚特性による影響
施術者の技術力・経験不足
脂肪冷却は機器をあてるだけの簡単な施術に見えますが、実際には医師や看護師の技術力と経験が結果を左右します。解剖学的な知識や判断力が不十分だと、効果のムラや皮膚の凸凹につながるリスクがあります。
具体的に技術力が問われる場面は以下のとおりです。
- アプリケーターの選択と装着 : 部位や脂肪量に合わせて最適な形を選び、正確な位置に装着する
- 施術後のマッサージ : 結晶化した脂肪細胞の排出を促すために安全に行う
こうした配慮が不足すると仕上がりに差が出ます。誰が施術を担当するのか、医療資格者かどうかを確認することが、失敗を避けるためのポイントです。
適応見極めミス・カウンセリングの欠如
脂肪冷却は誰にでも適しているわけではなく、施術前の適応判断が不十分だと期待通りの結果につながらないことがあります。効果が出にくい、あるいは施術自体が適さないケースには次のようなものがあります。
- 脂肪の種類の不一致 : 内臓脂肪や筋肉の張りは適応外になる
- 脂肪量の不足 : 皮下脂肪が少ないと機器で吸引できず十分に冷却されない
- 皮膚のたるみの強さ : 脂肪が減ることでかえって目立つ可能性がある
- 健康状態の問題 : 寒冷じんましんやレイノー病など寒さに弱い持病がある場合は施術できない
信頼できるクリニックでは、生活習慣や持病も含めて慎重に判断を行います。説明が不十分なままの施術はリスクが高まるため、注意が必要です。
体質や皮膚特性による影響
脂肪冷却の効果の現れ方やダウンタイムの程度には個人差があり、個々の体質や皮膚の特性によって左右されます。
代表的な要因は以下のとおりです。
- 代謝の状態 : 高い人は排出がスムーズになりやすく、低い人は変化が緩やかになる
- 皮膚の弾力性 : ハリが低いと脂肪減少後にたるみが目立ちやすい
- 寒さへの耐性 : 冷えに敏感な体質では赤みや痛みが強く出やすい
- 血液循環の状態 : 血行が悪いと老廃物の排出が遅れ、変化に時間がかかる
これらは自分で判断するのが難しいため、施術前のカウンセリングで伝えることが重要です。些細なことも共有することで、施術が適しているかを確認でき、不要なリスクの軽減につながります。
後悔しないためのクリニック選び5つのポイント

脂肪冷却を行う場合、安心して任せられるクリニックを選ぶことが大切です。後悔しないために、以下の5つのポイントを確認しておきましょう。
- 脂肪冷却の実績・症例写真を確認する
- 施術リスクや副作用の説明があるか
- 料金体系の透明性
- アフターフォロー・保証制度の有無
- 安全認可・認証機器の導入確認
①脂肪冷却の実績・症例写真を確認する
クリニック選びで信頼性を判断しやすいのが、実績や症例写真の公開状況です。脂肪冷却は誰が行っても同じ結果になるわけではなく、経験の豊富さや施術者のデザイン力が仕上がりに直結します。
そのため、クリニックのホームページやカウンセリングで、以下のような情報をチェックしておくことが大切です。
- 施術件数 : これまでどのくらいの脂肪冷却を行ってきたか
- 症例写真 : 希望部位の症例が十分にあり、角度や明るさが統一されているか
- 似た体型の症例 : 年齢や体型が近い人の症例があるか
- 担当者の経験 : 医師や看護師の経験年数や症例数を確認できるか
これらを公開しているクリニックは、自院の技術力に自信を持っているケースが多いと考えられます。症例を通じて仕上がりのイメージを具体的に掴み、後悔のない選択につなげましょう。
②施術リスクや副作用の説明があるか
脂肪冷却を含むすべての医療行為には、メリットだけでなくリスクや副作用が伴います。信頼できるクリニックは良い点だけを強調せず、患者が理解・納得できるまでリスクの説明を行います。
カウンセリング時には、以下のような質問をして確認すると安心です。
- 体質や脂肪の付き方に応じて考えられるリスクは何か
- 赤みや痛みはどの程度で、どのくらいの期間続くのか
- 凍傷や色素沈着、皮膚の凸凹の可能性はあるか
- 副作用が出た場合の対応方法はどうか
質問に対して明確で丁寧に答えてくれるかどうかは、クリニックを見極めるポイントです。説明が不十分な場合は注意が必要です。不安に寄り添って対応してくれる姿勢こそが、安心して施術を任せられるかどうかの判断材料になります。
③料金体系の透明性
費用に関するトラブルは、施術後に後悔する要因の一つです。「説明のなかった費用を追加で請求された」という場合も考えられるため、料金体系のわかりやすさはクリニック選びで重要な判断基準です。
Webサイトに記載されている金額だけではなく、カウンセリング時には総額を確認しましょう。その際、施術部位や使用するアプリケーターの数、回数などを明記した見積書を提示してもらえると安心です。
提示された金額に診察料やアフターケア費用が含まれているか、追加料金が発生する条件があるかどうかも確認することが大切です。支払い方法についても、現金だけでなくカードや医療ローンに対応しているかも事前に把握しておくと良いでしょう。
極端に安価な料金を掲げている場合は、機器の安全性やアフターフォローの体制が十分でない可能性もあるため、慎重に見極める必要があります。
④アフターフォロー・保証制度の有無
脂肪冷却は施術して終わりではなく、その後の数か月間の経過観察やサポートが大切です。破壊された脂肪細胞が体外へ排出されるまでには時間がかかるため、安心して過ごすためにもフォロー体制の有無を確認しましょう。
チェックすべきポイントは次のとおりです。
- 相談窓口 : 電話やメールで相談できる体制があるか
- トラブル対応 : 凍傷や強い痛みなど副作用が出た場合に迅速な診察・治療を受けられるか
- 保証制度 : トラブルが起きた場合に再施術や返金が用意されているか
これらの内容はクリニックによって差があるため、どのような条件で適用されるのかを契約前に書面で確認することが重要です。
⑤安全認可・認証機器の導入確認
脂肪冷却を安心して受けるためには、どのような機器が使われているのかを事前に把握しておくことが欠かせません。特に大切なのは、施術で使用する機器が医療用に設計されているかどうかです。
医療機関で導入されている機器は、冷却温度を安定して維持できるよう作られており、施術中も安全を守る仕組みが備わっています。一方、エステサロン用の簡易的なマシンでは、期待した結果が得られにくいだけでなく、皮膚にダメージを与えるリスクもあります。
カウンセリングの際には、機器の正式名称を確認し、安心して任せられる環境かどうかを判断することが大切です。
症状が長引くときは受診したクリニックへ相談を

脂肪冷却後の赤みや内出血、軽い痛みやしびれは、多くの場合2週間ほどで自然に治まります。それ以上続く場合は、受診したクリニックに相談してください。
脂肪冷却後の症状は体の回復過程でよくみられるものですが、長引いて悪化する場合は単なるダウンタイムではない可能性があります。強い痛みや広がる赤み、水ぶくれや感覚の異常などが見られるときは、専門的な処置が必要な場合もあります。
不安を抱えたまま放置せず、まずは医師に相談することが安心と回復につながります。
脂肪冷却の失敗が不安なら内視鏡ベルラクリニック銀座へ
脂肪冷却は、外科的な手術を伴わずに脂肪へアプローチできる点が魅力ですが、医療行為である以上、リスクもゼロではありません。後悔を避けるためには、経験豊富で信頼できるクリニックを選ぶことが何より大切です。
そのためにも、無料カウンセリングなどを活用し、この記事で紹介した「クリニック選びのポイント」を確認しておきましょう。
内視鏡ベルラクリニック銀座では、内視鏡専門医による総合的な肥満治療を提供しています。脂肪冷却に興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
- Wioleta Faruga-Lewicka, Wiktoria Staśkiewicz-Bartecka, Marek Kardas. Evaluation of the Efficacy and Safety of Cryolipolysis in Reducing Local Adipose Tissue in Women-A Randomized Pilot Study. J Cosmet Dermatol, 2025, 24(4), p.e70149.
カテゴリー一覧


