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2025/11/7

2025/11/7

脂肪冷却のデメリットとは? 副作用・リスク・注意点を医師が解説

脂肪冷却は、気になる部位をピンポイントで引き締められる施術として注目されています。ただし、どんな施術にもメリットとデメリットがあり、脂肪冷却も例外ではありません。

この記事では、脂肪冷却の施術を受けた後に後悔しないために、脂肪冷却のデメリットや副作用を解説します。安全に理想のボディラインを手に入れられるよう、まずは知っておくべき正しい知識を身につけましょう。

脂肪冷却のデメリット・副作用5選

脂肪冷却は、気になる部分の脂肪細胞を減らす効果が期待できる治療法です。しかし、安全に納得のいく結果を得るためには、良い面だけでなくデメリットや副作用も正しく理解しておくことが欠かせません。

脂肪冷却のデメリット・副作用として、以下の5つが挙げられます。

  • すぐには効果が現れない
  • 内蔵脂肪は減らせない
  • 施術直後に副作用が現れることがある
  • 重篤な合併症のリスクがある
  • 大きな体重減少は期待できない

①すぐには効果が現れない

脂肪冷却のデメリットの一つが、効果を実感するまでに一定の時間が必要な点です。

脂肪冷却は、冷却によってダメージを受けた脂肪細胞を老廃物として体外へ排出することで、脂肪が減少するという仕組みです。排出プロセスは、体の自然な代謝機能によってゆっくりと進んでいくので、すぐに効果は現れません。

効果が現れるまでの一般的な期間は、施術後約1〜3か月です。約2〜3か月で見た目の変化が見られることが多いでしょう。すぐに結果を求める方にとっては、待ち時間がデメリットに感じられるかもしれません。

大切なイベントに向けて施術を検討する場合は、2〜3か月前に施術を受けるよう計画を立てることがおすすめです。

②内臓脂肪は減らせない

脂肪冷却は、皮下脂肪を狙って減らす施術です。そのため、お腹の奥にある内臓脂肪を減らす効果は期待できません。

脂肪冷却が「特定の部位にある皮下脂肪の細胞数を減らす方法」であるのに対し、内臓脂肪を減らすには食事制限や運動などの生活習慣改善が必要です。

体型全体を整えたい場合には、まず脂肪冷却で部分的に皮下脂肪を減らしつつ、生活習慣を見直して内臓脂肪にアプローチしていくのが効果的でしょう。

③施術直後に副作用が現れることがある

脂肪冷却はメスを使わないため、体への負担が比較的少ない治療ですが、施術後に一時的な副作用が現れることがあります。現れる副作用は冷却による正常な体の反応であり、多くは時間の経過とともに自然に治まります。

脂肪冷却の施術後に現れやすい主な副作用は、以下のとおりです。

時期主な症状
施術直後・赤み、腫れ
・内出血(青あざ)
・施術部位が硬くなる感覚
施術後数日〜数週間・筋肉痛に似た鈍い痛み
・かゆみ、ヒリヒリ感
・しびれ

これらの症状の多くは、冷却によって脂肪組織が軽い炎症を起こすことで生じます。赤みや腫れ、内出血は軽症であることがほとんどで、比較的短期間で消失すると報告されています。(※1)

しびれは、皮膚の神経が冷却されることで起こりますが、時間経過とともに改善する傾向です。(※2)症状が長引いたり、痛みが我慢できないほど強かったりする場合は、すぐに施術を受けたクリニックに相談しましょう。

④重篤な合併症のリスクがある

脂肪冷却は安全性の高い治療法とされていますが、ごくまれに重篤な合併症が起こる可能性があります。代表的な合併症の一つが、逆説性脂肪過形成(PAH:Paradoxical Adipose Hyperplasia)です。

PAHは、脂肪が減るはずの施術部位が逆に硬く、はっきりと境界がわかる形で増えてしまう現象を指します。発生頻度はまれで、複数の医療機関のデータを解析した研究では、約0.05〜0.39%とも報告されています。(※3)

PAHが起きた場合、自然に治ることはなく、治療には脂肪吸引などの外科的な処置が必要になることがあります。その他にも、以下のような重い合併症のリスクがゼロではありません。

  • 凍傷
  • 皮膚の色素沈着
  • 長期的な痛みや神経症状

リスクを抑えるためには、体の構造を熟知し、万が一のトラブルにも迅速かつ適切に対応できる医師のもとで施術を受けることが重要です。

⑤大きな体重減少は期待できない

脂肪冷却で取り除けるのは、体の中のほんの一部分の皮下脂肪です。そのため、施術後に体重計の数値が大幅に減ることはほとんどありません。

もともと脂肪は軽い組織であり、水に浮くほど密度が低いのが特徴です。仮に200ccの脂肪が減ったとしても、実際に体重に反映されるのはわずか200g弱にすぎません。

一方で、脂肪は筋肉よりも体積が大きいため、数値の変化が小さくてもシルエットの変化は十分に実感できます。脂肪冷却は「体重を落とすための施術」ではなく、「見た目を整えるための施術」と理解しておくことが大切です。

脂肪冷却に向かない人の特徴

脂肪冷却は、気になる部分の脂肪にアプローチできる魅力的な施術です。しかし、残念ながらすべての方に推奨できるわけではありません。

脂肪冷却に向かない人の特徴は、以下の4つです。

  • 内臓脂肪が多い人
  • 硬くつまめない脂肪や皮膚のたるみが強い人
  • 寒冷じんましんや末梢循環障害などの持病がある人
  • 妊娠中・授乳中・ペースメーカー使用中の人

①内臓脂肪が多い人

内臓脂肪が多く、お腹周りのふくらみを気にして施術を希望する方は、脂肪冷却での改善が期待できません。脂肪冷却は、皮膚のすぐ下にある皮下脂肪を減らす治療法だからです。

脂肪冷却の機器は、皮膚表面から冷却エネルギーを届けます。エネルギーが届くのは、皮膚のすぐ下にある皮下脂肪層までのため、腹筋よりも奥深くにある内臓脂肪には冷却効果が及びません。

皮下脂肪かどうかがわからない方は、立った状態で、おへその横あたりをつまんでください。2〜3cm以上の厚さでつまめる場合は、皮下脂肪の可能性が高く、脂肪冷却で効果が期待できるでしょう。

一方、全体が硬く張っているお腹は、内臓脂肪が多いサインです。内臓脂肪を減らすためには、食事管理や有酸素運動などの日々の生活習慣を見直すことが大切です。

②硬くつまめない脂肪や皮膚のたるみが強い人

脂肪冷却は、施術部位を吸引して脂肪を冷却するため、脂肪が硬かったり皮膚のたるみが強かったりする方にはおすすめできません。それぞれのケースで施術が推奨されない理由は、以下のとおりです。

ケース施術が推奨されない理由
脂肪が硬い硬くなった脂肪は、機器で十分に吸引できず、期待する効果が得られない可能性があるため
皮膚のたるみが強い脂肪吸引で脂肪が減少すると、皮膚のたるみがかえって目立つおそれがあるため

自身の脂肪の質や皮膚の状態に適した施術かどうかは、自己判断が難しい部分です。カウンセリングの際に、医師にしっかりと診察してもらい、最適な治療法を相談しましょう。

③寒冷じんましんや末梢循環障害などの持病がある人

脂肪冷却は体を強く冷やす施術のため、寒さによって症状が悪化する病気を持つ方は受けられません。代表的なものに、寒冷じんましんやレイノー病などがあります。これらの病気をお持ちの方が施術を受けると、じんましんや血流障害など深刻な症状につながるおそれがあります。

また、血液や免疫に関する病気を持つ方も注意が必要です。さらに、抗凝固薬や抗血小板薬を服用している場合は、施術後に広い範囲で内出血が出る可能性があります。

自身の健康状態や持病、服用中の薬については、必ず医師に伝えるようにしましょう。

④妊娠中・授乳中・ペースメーカー使用中の人

母体・胎児や体内の医療機器への安全性が確立されていないため、以下に該当する方は脂肪冷却の施術を受けられません。

  • 妊娠中
  • 妊娠の可能性あり
  • 授乳中
  • ペースメーカー・植え込み型除細動器を使用中

他にも、施術部位に未治療のヘルニアがあったり、湿疹・皮膚炎・感染症などがあったりすると、治療を受けられない可能性があります。重度の肝臓病や腎臓病などがある方も、健康リスクがあるので、事前に医師に確認しましょう。

自身の体を守るためには、カウンセリング時の問診で健康状態を正確に伝えることが重要です。

脂肪冷却で後悔しないために知っておくべき注意点

脂肪冷却で後悔しないために知っておくべき注意点として、「①医療クリニックとエステサロンの違い」と「②ダウンタイムの期間と施術後の正しい過ごし方」を解説します。

①医療クリニックとエステサロンの違い

医療クリニックとエステサロンで行われる脂肪冷却は、根本的に異なる施術のため注意してください。

医療クリニックとエステサロンでの脂肪冷却の違いを、以下の表にまとめました。

項目医療クリニックエステサロン
施術者医師・看護師エステティシャン
使用機器厚生労働省などが承認した医療機器医療機器として承認されていない美容機器
施術前の診察医師による診察や医学的判断を実施カウンセリングのみ(診断不可)
作用機序脂肪細胞を冷却・凍結により破壊・減少させる(医療行為)皮膚冷却による血管収縮後、血流再開による一時的な代謝促進・むくみ軽減(非医療行為の範囲内)
トラブル対応院内で迅速な診察・治療が可能医療行為はできず、提携先への紹介などしか行えない

医療クリニックで使用する機器は、国が安全性と有効性を審査し、承認した医療機器です。脂肪細胞を破壊するのに十分な冷却能力と、安全性が備わっています。一方、エステサロンの機器は美容機器に分類され、医療機器ほどの出力は出せません。

期待される効果と安全性を考慮する場合、医師が常駐し、適切な医療機器を備えた医療クリニックを選ぶことが賢明な判断です。

②ダウンタイムの期間と施術後の正しい過ごし方

ダウンタイムとは、施術後の副作用が回復し、日常生活に支障をきたさない状態に戻るまでの期間を指します。

脂肪冷却は、ダウンタイムに赤みや腫れ、内出血などの症状が現れることがあります。ダウンタイムに現れる症状は、体が正常に回復しているサインのため、過ごし方によって施術の効果を高めることが期待できるでしょう。

施術後、以下のような生活を心がけることがおすすめです。

  1. 施術当日
    ・長時間の入浴やサウナ、激しい運動、過度な飲酒を控える
  2. 施術翌日以降
    ・施術部位の軽いマッサージ
    ・入浴やサウナ、適度な運動など代謝を上げる行為

ほとんどの場合、ダウンタイムの症状は自然に軽快しますが、気になる変化が見られた場合はクリニックへ相談してください。

脂肪冷却なら内視鏡ベルラクリニック銀座へ

脂肪冷却は、気になる部分の脂肪を減らすことが期待できる治療ですが、メリットばかりではありません。効果が現れるまでには時間がかかり、赤み・内出血などの副作用や合併症のリスクがあることも覚えておきましょう。安全に納得のいく結果を得るためは、デメリットを正しく理解することが大切です。

内視鏡ベルラクリニック銀座は、脂肪冷却の施術を行える医療機関です。脂肪冷却を検討しているものの、不安や疑問がある方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

参考文献

  1. Hedayati B, Juhász M, Chu S, Mesinkovska NA. Adverse Events Associated With Cryolipolysis: A Systematic Review of the Literature. Dermatol Surg,2020,46 Suppl 1,p.S8-S13.
  2. Roshan Ravindran, Damiano Pizzol, Masoud Rahmati, Susanna Caminada, Dong Keon Yon, Jae Il Shin, Nicola Veronese, Pinar Soysal, Guillaume Fond, Laurent Boyer, José Francisco López-Gil, Karel Kostev, Julia Gawronska, Lee Smith.Cryolipolysis and associated health outcomes, adverse events, and satisfaction: A systematic review and meta-analysis.Obesity Reviews,2025,26(8).
  3. Andreas Nikolis, Kaitlyn M Enright.A Multicenter Evaluation of Paradoxical Adipose Hyperplasia Following Cryolipolysis for Fat Reduction and Body Contouring: A Review of 8658 Cycles in 2114 Patients.Aesthetic Surgery Journal,2021,41(8),932-941.

髙橋 敬二

内視鏡ベルラクリニック銀座
院長髙橋 敬二

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