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2026/02/20

2026/02/20

大腸がんの原因|食事・生活習慣・家族歴との関係をわかりやすく解説

大腸がん

「自分や家族は大腸がんとは無縁」と思っていませんか?

実は、食生活の乱れや運動不足、喫煙など、生活習慣の積み重ねが大腸がんのリスクを高めているかもしれません。大腸がんは、特別な人だけがなる病気ではなく、誰にでも関わる要因によって発症する可能性があります。

この記事では、大腸がんの主な原因やリスク要因、遺伝との関係、今日からできる予防法をわかりやすく解説します。手遅れになる前にご自身の生活習慣を振り返り、将来の健康を守るための第一歩を踏み出しましょう。

大腸がんの主な原因とリスク要因

大腸がんの発症には、食事や運動などの生活習慣だけでなく、遺伝的な体質や年齢、性別といったさまざまな要因が関わっています。なかでも、特に注意したいのが以下の6つのリスク要因です。

  • 食生活の乱れ
  • 運動不足・肥満
  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 遺伝的要因・家族歴
  • 年齢と性別によるリスクの違い

①食生活の乱れ

食生活の乱れは、大腸がんの身近なリスク要因の一つです。肉類中心の食事や野菜不足、高脂肪・高カロリーな食習慣は、腸内環境を悪化させ、発がん性物質の影響を強めることがわかっています。(※1)

大腸への負担を減らすためには、毎日の食事を少しずつ見直すことが大切です。以下の表では、代表的な食習慣の問題点と、改善方法をまとめています。

要因内容基本の対策
赤肉・加工肉の食べすぎ牛肉、豚肉、ハム、ソーセージ、ベーコンなどを頻繁に食べる習慣で大腸がんリスクが高まる量と頻度を控えめにし魚や大豆製品も組み合わせる
食物繊維の不足野菜、果物、きのこ、海藻が少ないと便通が乱れ発がん性物質が腸内に溜まりやすい主食に加えてサラダや副菜を意識して増やす
高脂肪・高カロリーの食事揚げ物、ファストフード、脂身の多い肉が多いと肥満や腸内環境の変化につながる揚げ物を控え油は適量にし茹でる、蒸す、焼く調理法を増やす

近年の研究では、糖分の多い清涼飲料水を多く飲む習慣も、大腸がんの経過に影響を与える可能性が示唆されています。 (※2)外食やコンビニ食が多い方、野菜不足を感じる方は、まず「1日の食事に野菜を1品足す」など、無理のない改善から始めましょう。

②運動不足・肥満

運動不足や肥満は、大腸がんのリスクを高める大きな原因です。特に、お腹の中に脂肪が溜まる「内臓脂肪型肥満」は要注意です。脂肪が増えると、体の中でがん細胞を成長させる物質が出やすくなることがわかっています。(※3)

次のような状態が続くと、リスクが高まります。

  • 腸の動きが悪くなり、便が長く腸に残る
  • 有害物質が腸の壁に触れる時間が長くなる
  • インスリンが効きにくくなり、過剰に分泌される

体を動かさない生活が続くと、腸の働きが弱まり、便通も悪くなります。肥満によってインスリンが過剰に出ると、がん細胞の成長を助けることがあります。長く座り続ける人は、1時間に1回立ち上がるなど、少しでも体を動かす工夫をしましょう。

③喫煙

「たばこ=肺がん」という印象が強いですが、喫煙は大腸がんの発症リスクも高めることがわかっています。(※4)たばこの煙には多くの有害物質が含まれ、血液を通して全身に運ばれます。

結果、大腸の粘膜にも届き、細胞の遺伝子を傷つけてがんを起こす原因になるのです。こうしたダメージは、喫煙を続けるほど少しずつ蓄積されていきます。

喫煙は腸内で慢性的な炎症を引き起こし、体の免疫機能も弱めます。1日の喫煙本数が少なくても、吸わない人に比べるとリスクは高くなります。禁煙を始めることで、将来的ながんのリスクを下げる効果が期待できます。

自分のためだけでなく、家族の健康を守るためにも、今からできる対策として禁煙を意識してみましょう。

④過度な飲酒

過度な飲酒は、大腸がんのリスクを確実に高めることがわかっています。アルコールは体内で分解される際、「アセトアルデヒド」という発がん性物質に変化します。この物質は二日酔いの原因にもなり、大腸の粘膜を直接傷つけて、がん細胞が生まれるきっかけを作ります。

問題となるのは、「たしなむ程度」を超えた飲酒習慣です。以下のような飲み方をしている方は、特に注意が必要です。

  • 毎日のようにお酒を飲む
  • 一度に大量に飲む「飲み溜め」傾向がある
  • アルコール度数の高いお酒を好む

お酒はコミュニケーションやリラックスにつながりますが、飲みすぎは体に大きな負担です。健康のためには、適量を守り、週に数日は「休肝日」を設けることが大切です。今の飲酒習慣を少し見直すだけでも、将来のがんリスクを減らすことができます。

⑤遺伝的要因・家族歴

大腸がんは生活習慣だけでなく、遺伝が関係して発症する場合もあります。

ご家族のなかに大腸がんを経験された方がいる場合、そうでない人よりも発症リスクがやや高くなることがわかっています。両親や兄弟姉妹など、血のつながりが近い家族に大腸がんの人がいる場合は、注意が必要です。(※5)

がんになりやすい体質を受け継いでいることや、家族で似た食生活・生活習慣をしていることが影響すると考えられます。ただし、家族にがんの人がいるからといって、必ず自分もなるわけではありません。大切なのは、早めの検診と定期的なチェックです。

⑥年齢と性別によるリスクの違い

大腸がんは、年齢が上がるほど発症しやすくなる病気です。特に40歳を過ぎた頃からリスクが高まり、50歳代以降で急増する傾向があります。長年の生活習慣による影響で、大腸の粘膜の細胞に少しずつ遺伝子の傷が蓄積し、がんのきっかけになるためと考えられています。

性別で見ると、日本では男性のほうが女性よりも発症率が高い傾向があります。(※6)喫煙や過度な飲酒など、生活習慣の違いが影響していると考えられます。

近年では、若い世代におけるがんの男女差が縮小していることも報告されています。(※7)こうした傾向をふまえても、年齢や性別に関係なく、40歳を過ぎたら定期的に大腸がん検診を受け、体の変化に早めに気づくことが大切です。

大腸がんになる可能性のある病気

大腸がんは、生活習慣だけでなく、もともと持っている病気や体質が原因でリスクが高まることがあります。大腸がんの発症につながりやすい病気として、以下の3つが挙げられます。

  • 大腸腺腫(大腸ポリープ)
  • 炎症性腸疾患
  • リンチ症候群などの遺伝性疾患

大腸腺腫(大腸ポリープ)

大腸ポリープのなかでも「腺腫(せんしゅ)」は、大腸がんの前段階となる可能性があるため、注意が必要です。腺腫は良性のポリープですが、放置すると数年かけて少しずつ大きくなり、一部ががん化することがあります。早期に発見し、切除することで大腸がんを確実に防ぐことができます。

以下に代表的なポリープの種類と特徴を示します。

ポリープの種類特徴
腺腫性ポリープ一般的なタイプで、時間をかけてがん化する可能性があるため、内視鏡での切除が推奨される
過形成性ポリープがん化リスクは低いが、大型や特殊なタイプでは注意が必要
炎症性ポリープ腸の炎症が治ったあとにでき、がん化の心配はほとんどない

多くのポリープは自覚症状がなく、定期的な大腸内視鏡検査が発見の唯一の手段です。検査では、腺腫を見つけた際にその場で切除できるため、がんになる前に防ぐことが可能です。

炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)が長期間続くと、大腸がんをはじめとした消化管腫瘍のリスクが高まることが報告されています。(※8)これらの病気は、免疫の異常で腸の粘膜に炎症が起こります。

その傷を修復する過程を何度も繰り返すことで、細胞に小さな変化が積み重なっていきます。この積み重ねが、がんの原因になることがあります。

以下のような場合は、特に注意が必要です。

  • 発症から8〜10年以上経っている
  • 大腸の広い範囲に炎症がある
  • 炎症が長く続き、症状が安定しない

ただし、IBDの人が必ずがんになるわけではありません。炎症をできるだけ抑える治療を続け、定期的に大腸内視鏡検査を受けて粘膜の状態をチェックすることが、早期発見と予防につながります。

リンチ症候群などの遺伝性疾患

リンチ症候群や家族性大腸腺腫症(FAP)は、生まれつき大腸がんになりやすい体質につながる遺伝性の病気です。体質そのものは変えられませんが、早く気づくことで、通常より早い時期から検査を受けられ、がんの予防や早期発見が十分に可能です。

家族に若い年齢で大腸がんになった人がいる場合や、家系に大腸がんの人が多い場合などは、遺伝の影響が考えられます。こうした心配があるときは、遺伝カウンセリングを行う医療機関に相談すると安心です。

専門家が検査の必要性やリスクの特徴をわかりやすく説明し、不安にも寄り添ってくれます。遺伝的リスクがある人は、20代など若いうちから定期的に大腸内視鏡検査を行うことで、大腸がんの予防につながります。

大腸がんを予防する方法

大腸がんの予防には、生活習慣を整えることと、適切な検査を受けることが重要です。日々の習慣を少し変えるだけでもリスクを下げることができます。

予防のために取り組みやすい3つの方法は以下のとおりです。

  • 食生活の改善
  • 運動習慣・禁煙・節酒でリスクを軽減
  • 定期的に検査を受ける

できそうなことから無理なく始めることが、健康を守る一歩になります。

食生活の改善

大腸がん予防には、腸に負担をかけず、腸内環境を整える食事を意識することが大切です。特に、食物繊維やカルシウムを含む食品を取り入れつつ、赤肉や加工肉・高脂肪食を控えることが大切です。

以下の表では、大腸がん予防のための食品の例とポイントをまとめています。

区分食品の例腸への影響・ポイント
積極的に摂りたい食品野菜・果物・きのこ・海藻・豆類食物繊維が便の量を増やし、腸の動きを整えて発がん性物質の排出を助ける
積極的に摂りたい食品牛乳・ヨーグルト・チーズ・小魚カルシウムが大腸がん予防に役立つ可能性があり、日常的に取り入れたい食品
控えめにしたい食品牛肉・豚肉・ハム・ソーセージ・ベーコン赤肉・加工肉を頻繁に摂る習慣は大腸がんリスク増加と関連
控えめにしたい食品揚げ物・脂身の多い肉・洋菓子高脂肪・高カロリーで肥満や腸内環境の乱れにつながりやすい

食生活をすべて完璧に整える必要はありません。まずは、野菜を一品足す、具だくさんの味噌汁を作る、間食を果物に変えるなど、小さな工夫から無理なく始めることが予防への近道です。

運動習慣・禁煙・節酒でリスクを軽減

大腸がんのリスクを下げるには、運動・禁煙・節酒の3つを意識することが大切です。無理なく続けられる習慣を取り入れるだけでも、腸の健康は大きく変わります。

運動は腸の動きを良くし、便通を整える助けになります。特別なスポーツでなくても、早歩きや軽いジョギングなどを週に数回行うだけで十分です。階段を使う、一駅歩くなど日常の動きでも効果があります。

喫煙は大腸がんを含む多くのがんリスクを高めるため、禁煙は重要です。たばこの有害物質は血液を通じて全身に広がり、大腸の細胞にもダメージを与えます。飲みすぎは、飲む量を控えたり、休肝日を設けたりすることで負担を減らせます。小さな改善でも、将来の健康を守る大切な一歩になります。

定期的に検査を受ける

大腸がんを早期に発見し、予防するために重要なのが「定期的な検査」です。大腸がんは早期であれば治る可能性が高く、がんの前段階であるポリープ(腺腫)を見つけて切除すれば、がんそのものを防ぐこともできます。

大腸がん検診には、便に混じったわずかな血液を調べる「便潜血検査」と、大腸の内部を直接観察する「大腸内視鏡検査」があります。便潜血検査は自宅で簡単にでき、40歳以上は毎年受けることが推奨されています。結果で異常が出た場合は、大腸内視鏡検査を受けることが重要です。

検査は「病気を見つける」だけでなく、「異常がないと確認して安心する」ためにも役立ちます。将来の健康を守るため、ぜひ定期的な検診を習慣にしましょう。

まとめ

大腸がんのリスクは、食生活や運動不足、喫煙・飲酒などの生活習慣、そして遺伝的な体質が重なることで高まります。しかし、野菜を一品増やす、歩く時間を少し延ばすなど、日々の小さな工夫で予防につなげることができます。

重要なのは、症状がなくても定期的に検査を受けることです。40歳を過ぎたら大腸がん検診を習慣にし、便潜血検査で陽性が出た場合は精密検査へ進みましょう。

内視鏡ベルラクリニック銀座では、専門医が丁寧に大腸内視鏡検査を行っています。検査が必要な方は、お気軽にご相談ください。

参考文献

  1. Ungvari Z, Fekete M, Varga P, Lehoczki A, Fekete JT, Ungvari A, Győrffy B. Overweight and obesity significantly increase colorectal cancer risk: a meta-analysis of 66 studies revealing a 25-57% elevation in risk. Geroscience, 2025, 47(3), pp.3343-3364.
  2. Feng T, Luo Q, Liu Y, Jin Z, Skwarchuk D, Lee R, Nam M, Asara JM, Adye DR, Lorenzi PL, Tan L, Pei G, Zhao Z, Zarrin-Khameh N, Paulucci-Holthauzen A, Simons BW, Lee J-S, Kopetz S, Yun J. Fructose and glucose from sugary drinks enhance colorectal cancer metastasis via SORD. Nat Metab, 2025, 7(10), pp.2018-2032.
  3. Park JW, Chang SY, Lim JS, Park SJ, Park JJ, Cheon JH, Kim WH, Kim TI. Impact of Visceral Fat on Survival and Metastasis of Stage III Colorectal Cancer. Gut Liver, 2022, 16(1), pp.53-61.
  4. Otani T, Iwasaki M, Yamamoto S, Sobue T, Hanaoka T, Inoue M, Tsugane S. Alcohol consumption, smoking, and subsequent risk of colorectal cancer in middle-aged and elderly Japanese men and women: Japan Public Health Center-based prospective study. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev, 2003, 12(12), pp.1492-1500.
  5. Roos VH, Mangas-Sanjuan C, Rodriguez-Girondo M, Medina-Prado L, Steyerberg EW, Bossuyt PMM, Dekker E, Jover R, van Leerdam ME. Effects of Family History on Relative and Absolute Risks for Colorectal Cancer: A Systematic Review and Meta-Analysis. Clin Gastroenterol Hepatol, 2019, 17(13), pp.2657-2667.e9.
  6. 国立研究開発法人国立がん研究センター:「最新がん統計
  7. Okui T. Age-Period-Cohort Analysis of the Sex Differences in Cancer Mortality Rates in Japan from 1995 to 2015. Asian Pac J Cancer Prev, 2020, 21(6), pp.1759-1765.
  8. 大腸癌研究会:「炎症性腸疾患関連消化管腫瘍診療ガイドライン

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